1980

ナイロン100℃のケラリーノサンドロビッチことケラの初監督作品。まぁ、普段からナイロンを毎回行っている身としてはとりあえず見ておかなくちゃいかんでしょ的な作品なのですが、ようやっと見てきました。まぁうちから新宿遠いしね。

しかしケラはホントにこの時代が好きだなぁ。昔の舞台作品では「1979」ってのがあるし、「カメラ≠万年筆」「ライフアフターパンクロック」はそれぞれ1985年、1980年舞台でしかも映研が舞台というこの「1980」の元ネタともいえる作品だし、「ナイスエイジ」でもこの時代に触れていたはずだし、まぁお得意の時代設定ってやつですよ。いわゆる近過去劇ってやつですね。

でも、個人的にはそんなにこの近過去劇って好きじゃないんだよねぇ。話の内容はともかくとしてギャグの構造としてちょっと懐かしい事言っておけばOKみたいな流れになっちゃうところとか、実際に起きた事件に後付してエピソードをくわえていけばそれだけで面白くなっちゃうってことが笑いとしてはちょっと卑怯な気がしてね。まぁそれでも面白いものは面白いのですが。

で、この映画。正直な感想を言えばちょっと発散していたなぁ。かつ不完全燃焼。なんかまとまらないまま終わっちゃった感じ。三姉妹のエピソードがどれも芯を持てずに最後まで行っちゃった印象だなぁ。もっと出来るんじゃないかということも含めてちょっと残念でした。

演出は序盤でちょっと突飛なところがあってどうなるのかな?と思いましたが、後半は結構まともだったんじゃないかと。

出演者は偉く豪華でしたね。これぞケラ人脈。音楽界と演劇界で名を残しただけのことはあると思いますよ。特に演劇関係については芝居見る人にとっては細かな脇役まで気になっちゃって仕方ないくらいいろいろな人が出てました。

ともさかりえは酔っ払っているところがとてもかわいかったです。元アイドルで惚れやすく誰とでもしてしまうという設定は卑怯かと。

蒼井優は聖子ちゃんカットだったのでなんとも。たまに蒼井そらって間違えて言ってしまうので注意が必要ですね。

犬山はまぁいつもどおり。みのすけや三宅との絡みはまんまナイロン100℃だったなぁ。そりゃそうか。

あとはミッチーが相変わらず少し狂っていてよかったと思います。マンハッタンラブストーリーといい、最近のミッチーはミッチーらしいミッチーで非常によいのではないかと思います。

まぁ、そんなところですかね。正直、不完全燃焼でしたが結構客は入っていたので、営業的には成功の部類に入るのかも。次も作るんですかね?まぁ、ほどほどにね。