サマータイムマシン・ブルース

公開早々観に行ってまいりました。原作は京都の劇団「ヨーロッパ企画」が上演した芝居。それを本広克行が観て映画化を決意したとか。

ヨーロッパ企画の芝居はこの話を聞いて、一度観に行ったことがありますが、中盤までは凄く面白かったんだけども、途中の場面転換以降、一気につまらなくなってしまい尻つぼみだったという印象。サマータイムマシーン・ブルースもこの前まで再演していたんですがねぇ、見事見逃してしまいました。それがよかったのか悪かったのかは映画を見た今でもよくわかんないなぁ。

ダラダラと暑い夏をすごすSF研の面々。ひょんなことで部室のクーラーのリモコンが壊れてしまい、蒸し暑い部室にみんなイライラ。そんな時、なぜか部室にひょっこりと現れたタイムマシーン。そうだ、このタイムマシーンで過去に戻って壊れる前のリモコンをとってくればいいんだ!ナイスアイデア!なお話。

いやぁ、面白かったなぁ。とてつもなくB級でドタバタして、大騒ぎした割には大して世の中は変わっていない。人としてもあんまり成長していない。なんだったんだろうか、これ、みたいな。こういう映画をオレは日本映画に求めているんだろうな。最近は邦画も結構人気だけども、そういう人気映画とは一線を画していると思う。商業的なことを考えていないわけじゃないんだろうけども、なんか好き勝手に楽しんで作りましたって言うのが伝わってきた。

とにかく脚本が巧みだなぁという印象。最初にタイムパラドックスにより起こる不都合をいくつか見せておいて、後半で徐々にその伏線を拾っていく感じがすき。まぁ、ちょっとあからさま過ぎる伏線もあったかなぁとも思うけど、まぁいいか楽しいし。

ああいうタイムスリップものの設定って言うのは、やっぱり演劇的かなぁとも思うけどね。映画ではそんなに観ないかもしれないけども、芝居では結構積極的にそういう設定はするよね。まぁ、どっちにしろスケールが小さいのがいいんだけどね。せっかくタイムマシーンを手に入れても昨日に戻ってリモコンを持ってくるって程度しか使わないんだし。

あと、タイムマシーンが我々にとって想像以上に身近なのはドラえもんの影響も強いのかなぁなんて思ったりもするなぁ。タイムパラドックスの問題点とかも全て僕らはドラえもんで学んだのさ!まぁ、セワシ君がドラえもんのび太君のところに送り込んだ理由からして強烈なTP法違反のような気がしないでもないけども。

役者も実際の年齢聞くと大学生役はつらいんじゃないの?って人も結構いたけども、大学生らしいノリだけのくっだらない会話とか上手く表現されているなぁと思った。ああいう実のない会話をずっとしていたいよね。

上野樹里がかわいいのはもちろんだけども、同じカメラクラブの真木よう子もかわいかったなぁ。メガネ似合っているぜ。あと脇を固めた大人たちが佐々木蔵之介升毅三上市朗、楠見薫、川下大洋と関西劇団出身者で固められているのもよかったな。この5人って「12人の入りたい奴ら」に出ているメンバーじゃんと思ったけど、あれは楠見薫出てないか。「止まれない12人(初演)」だと蔵之介出てないし。まぁ、どうでもいい話ではありますが。

まぁ、そんな感じで結構期待して観に行ったサマータイムマシーンブルースでしたが、想像以上に楽しかったです。もう一度くらい見たいけども、他にも見たい映画結構あるしな、どうなんだろうか。

本広克行自身は10本くらい舞台と映画のコラボレーションやりたいっていっているみたいだから次以降にもかなり期待。無難なところで大王作品あたりやって欲しいけども。

(公式サイト)
http://stmb.playxmovie.com/
(舞台版の感想)byまねきねこさん
http://homepage1.nifty.com/mneko/play/YA/20050820m.htm