葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午
今年の「このミス」第1位にして、本格ミステリベスト10第1位作品ですよ。要するに今年のミステリの中で一番評価が高いのがこれというわけです。つうわけでミーハーな私としてはこいつは読まなくては!つうことで早速読んでみました。
歌野晶午は以前に1冊読んだことがあってそれがちょっとイマイチだったんですよね。ダメな方向に進んじゃった新本格みたいな印象(霧舎?)だからその後作品に手が伸びることもなかったんですよ。その人がダブル受賞することになるとはねぇ。俺の見る目も当てにならないなぁ。
で、内容についてはこれについてはあんまり書かないほうがいいんだろうなぁ。読む人は先入観無しで読んで素直な感想を持ってもらいたいです。1回読んで充分だった人はそれでいいですけど、面白かった人はもう一回読むといいだろうなぁ。私も2回読みましたが2回目は細かい単語一つ一つが「ああここにも伏線が」と降り注いでくること請け合いです。
もともとこういうのが読みたくてミステリとか読み始めたタイプの人間だからなぁ。ワイダニット、ハウダニットよりもフーダニットが好きな人間と言うか。まぁ、これはそのどれでもないですが。そういう意味でも満足しました。
このタイトルも読み終わってみるとそういう意味だったのかぁ!って感じですしね。妙にロマンチックなタイトルにも騙されてみる心地よさみたいのを感じました。
もうちょっとオチが強ければいいなぁとも思いましたが。そういう意味では結末自体はそんなに好きじゃないかもな。まぁでも面白いです。ミステリとか読みなれていない人にこそ読んで欲しい一冊ですね。
でも、個人的には西尾維新の「君と僕の壊れた世界」の方がよっぽど好きだってのはやっぱり趣味思考としては歪んでますな。まぁそれもよしということで。