オーデュボンの祈り / 伊坂幸太郎

あー、面白かった。

伊坂幸太郎の本は「重力ピエロ」、「陽気なギャングが地球を回す」と読んできて3冊目なんだけど、読めば読むほど馴染んでいくな。時系列的には戻っているのにな。

正直、重力ピエロはいくつかの台詞回しだったりにすごくしびれる所があったんだけど、全体的な流れでは今ひとつだったんですよね。でも、陽気なギャングとオーデュボンで完全にやられました。この2冊は読み終わった瞬間に人に薦めたくなってしまった。みんな、もっと本とか読もうぜ！

伊坂幸太郎の小説って最終的に落ち着くところに落ち着くのがいいと思うんだよね。ちゃんと伏線を消化して、決して突飛なところには飛び立たず、でも読者の安易に予想できるところにも着地せず、ものすごく絶妙なところに辿りつくと思うんですよ。それがさわやかな読後感に繋がるんじゃないかと。

オーデュボンで言うと「この島に欠けていたもの」かなぁ。ちょっと不意をつかれてドキッとしてしまいました。

どの小説の世界もホンのちょっとだけ現実離れしていて、そういう意味ではミステリーというよりもファンタジーという印象なんだけど、彼の小説の中ではそんなことはどうでもいいことですね。面白いからいいじゃないか。

つうわけで、絶賛してみました。次はラッシュライフかなぁ。