鈍獣 /PARCO劇場
出演が生瀬勝久、古田新太、池田成志で脚本がクドカン、演出が河原雅彦、しかも共演の女性陣が西田尚美、乙葉、野波麻帆という隙の無い豪華布陣。こりゃ観に行かないわけには行かないでしょ!とは思ってみたものの同じことはみんな思うわけでして、チケットが取れなくてねぇ。せめて脚本がクドカンじゃなければもうちょっと取りやすかったかも知れませんが、ほんと取れませんでして、結局ヤフオクで高額でゲットしてみてきました。まぁ、もうちょっと粘れば安くチケットも取れたかも知れませんが、そこらへんは諸般の事情ということで。
ストーリーはいなくなった作家とそれを追いかける元編集者、そして彼の幼馴染が経営するホストクラブに集う面々とのお話。クドカン脚本ということでコメディー寄りで行くのかと思いきや、最後は意外や意外、ホラー風になってしまいましたとさ。ちょっと意表をつかれました。あと、一瞬すごい驚くシーンがあった。やられたー。
まぁ、それなりに楽しめたのですが、ちょっと後半の脚本演出がくどかったなぁ。出演者全員に見せ場を作ろうとするとああなっちゃうのかなぁ。約2時間半の芝居なので締められるところは締めて欲しかったなと。
構成的には結構分かりやすいというか、単純じゃないんだけども、メインストーリーの裏側に潜む展開を客に意識させながら展開させていって、最後に裏切るというか分からなくさせる感じ。メインキャストの凸やん、江田、岡本の関係性に隠れてしまうけども、実は乙葉と野波麻帆の関係性もあんまりはっきりしていないところとか。ホントに彼女らは先輩後輩の間柄だったのか。お互い知らないことを覚えていたり、存在自体を覚えてなかったり。そこを冒頭に持ってきて、意味不明のただのつかみに思わせておいて、後半もう一度同じ場面を再現した時には関係性までも意味不明にさせていまうところなんてちょっとうまいなと思ってみたり。
まぁ、後半のジメジメした展開とエンディングをどう許容できるか?って感じですかね。個人的にはまぁまぁかなと。10点満点で7点くらい。
役者は男性3人はもういつもどおりというかこなれすぎているので、期待通りというか。満足です。
舞台経験の少ない女性陣3人(西田尚美は2回目、乙葉、野波麻帆は初舞台)はちょっと不安だったのですが、なかなか健闘。特に乙葉は普段の乙葉イメージをデフォルメした天然ぶりっ子キャラを文字通り演じながら、時折見せるダークサイドな部分とか非常によかった。かわいいし。ちっちゃいし。
前に一度、乙葉をドラマで見たことがあって、その時もすごくむかつく新入社員とかやっていて、演技うまいなとか思ったのですが、案外そのダークサイドな部分が乙葉の本質なのかなとか思ってみたり。結構前から乙葉頭いい説を唱えているんだけど、あんまり賛同してくれる人がいないんだよね。彼女はいろいろ考えていると思うんだけど。
西田尚美は声の出し方が映像の人だなぁという印象はありました。まぁ悪く無かったですよ。最初出てきた時はちょっと不安だったけど。長谷川京子よりはよかった。
野波麻帆は最後列なので顔があんまり見えなかったのが残念。まぁ、それは西田尚美にも乙葉にも言えることなんだけど。
客席には初日ということもあってか脚本のクドカン、演出の河原雅彦がいました。あと河原と席は離れていましたがともさかりえもいました。休憩中にちょっと会話してた。妊娠中だとか。それしては細かったなぁ。あとちょっと派手めだった。未確認だけどHPの笑顔が気持ち悪いと極一部で話題の薬丸が来ていたらしい。見逃したー。