新本格魔法少女りすか / 西尾維新
西尾維新の新作は魔法少女モノ。ということでファウスト誌に過去掲載された2話に1話を書き下ろして発売されたのがこれ。思えば前作の「零崎双識の人間試験」もweb連載されていたやつだし、純粋な意味での新作は最近は出ていないんだなぁ。
しかし、読んでみてよくこのご時世に出版できたなと驚いてしまいました。なにせ主人公が小学生の女の子で長崎出身でいつもカッターをキチキチとやっていて、いざという時には自分の体をカッターで傷つけるだなんて、どっか実際の世界でも聞いたことあるような設定ですよ。
事件の方がこの小説より後に起きたとは言え、出来すぎているなぁ。実はこの小説の影響が強かったりして。小学生はファウストなんかよまないか。バトルロワイヤル読む小学生は理解できるけどファウスト読む小学生はちょっと想像できない。けどいるのかもなぁ。
連載読んでいたときから思っていたけども、どうも主人公の男の子の方がムカツク性格でどうにも馴染めないんだよね。うまく踊らされちゃっている気もするけど。だから感情移入とかは出来ない。感情移入するような話じゃないけどさ。
あと、これの前に空の境界(by奈須きのこ)を読んでいたこともあるのかもしれないけど、こういった超能力者モノはちょっと食傷気味だったのかもね。なんかもう好きにしてくれよとか思ってしまいました。
結局、オレが西尾維新の中でも好きなのはクビシメロマンチストと君と僕の壊れた世界あたりで、あんまり能力者が出てこない話だったりするんだよね。そういう意味では最近の傾向とかはちょっとなって感じです。
今はリハビリじゃないけど伊坂幸太郎のグラスホッパー読んでます。伊坂もどの本書いてもあの調子なんだなぁ。まぁそこがいいんだけど。