陽気なギャングの日常と襲撃

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

というわけで、映画よりもこっちの方がよっぽど楽しみにしていた続編「陽気なギャングの日常と襲撃」でございます。元々は雑誌に4人それぞれを主役とした短編が掲載されていまして、それをまとめたのと、ちょっと書下ろしがついてこの続編になったのかと思っていたのですが、思った以上に書き下ろし部分に重心が置かれてまして、ちゃんとした一つの長編になっていました。嬉しい誤算。

個人的には前作のポイントは4人の軽妙洒脱な会話と散りばめまくられた伏線の見事な回収にあったと思うわけで、そういった意味では、今作も十分に踏襲されていて十分満足しました。伏線は今作もすごかったなぁ。そこまで回収するかという感じで。それほどあざとさも感じないし。ここら辺は伊坂のもっとも得意とするところであり、力量がはっきりと出ているよなぁ。

まぁ、ストーリー自体は前作に比べるとちょっと爽快感とか高揚するような読後感が足りていない印象もありますが、とやかく言われがちな人気作の続編としては十分及第点じゃないかと思います。響野はホント愛すべきキャラクターだよなぁ。ドカベンで言えば成瀬が山田で響野は岩鬼だな（適当）

また続編も作れそうな感じですがどうなんでしょうか。見たいような見たくないような。まぁ、伊坂得意の作品間リンクでも濃いキャラばかりだからすぐにわかりそうなもんですがね。祥子さんですら他作品に出たときに一発でわかったんだから。

そういや、鬼怒川温泉行きの電車に乗りながらこれ読んでいました。鬼怒川温泉つく直前で読み終えました。だからなに？