アイデン&ティティ
原作はみうらじゅん、監督は田口トモロヲ、脚本はクドカン、しかも主演が元ゴイステのミネタって言われちゃうとどうしてもみなくちゃいけないですよね。これ。
まぁ、そんなことを思いつつもようやくみる事が出来たのですが。横浜で上映してくれてありがとう。横浜シネマソサエティという映画館でやったのですが、ここは駅前にあるくせにいつもいつもホントにホントに空いていて客なんていつも10人くらいしかいないのに、結構私のツボにヒットする日本映画を上映してくれてホントに大好きです。つぶれないで頑張って欲しい。次回上映予定の「きょうのできごと」も絶対に見に行くです。これも見たかった映画なのです。どうもありがとう。
さて、映画の感想。とても共感できました。以上。
まああれだ、映画としての表面的なテーマはロックなわけなんだけども、タイトルをみてわかるように言っていることは普遍的なものというか自分らしく生きていくっていうことはどういうことなんだろうか?ってことなんだよな。
理想と現実ってのがあって理想を追うだけじゃ生きていけないけども、現実なんてつまらない。じゃあどうやれば自分らしく生きられるの?って話なわけですよ。まぁ、「自分らしさ」なんてのはオレは幻想だと思うけどね。でも、幻想だからこそ信じて生きていきたいよね。
ちょっと脱線するけど、オレは宇多田ヒカルには全然興味ないんだけど、彼女が結婚した時に残した「全ての確信は希望であり、また希望こそが最大の確信でもあると思うのです。」って言葉にはすごくやられたのね。この言葉だけで彼女を最大限に評価してもいいくらいガツンとやられたのよ(まぁ、唄にはやっぱり興味ないんだけどさ)。
要するにさ、信じる力ってのを常に持って迷わずにやっていけたらいいね。って話ですよ。まぁそのことほど難しいことはないんだけど。
この映画だと麻生久美子演じる主人公中島の彼女が導いてくれる訳なんだけど、いやぁ、あの彼女はすごいな。あんなに美人で頭のいい人間なんて存在しないよ。すべて見透かされちゃっている気がしちゃうね。あんなのマリア様だよ。ちょっと完璧超人過ぎて怖いかも。もう完璧超人っていってもスクリューキッドとかケンダマンクラスじゃないよネプチューンマン、ネプチューンキングクラスですよ。でも、出会ってみたいね。
あと、もう一人の神ディランの一言一言がもう全てもっともでねぇ。感動しました。俺もボブディラン聴いてみようかなぁとか思ったしね。
俺にとって導いてくれる神ってのは誰なんだろうね?難しい。まだ出会っていないだけなのか?
オープニングでバンドブームを彩ったいろいろな方々のインタビューを持ってきたのは上手い構成だと思った。スイマーズとか懐かしすぎ。劇中にも氏神一番とかニューロティカのアッちゃんとか出ていたけど、イカ天好きだった人は懐かしいと思うと思いますよ。
あと、主演はやっぱりミネタでよかったなぁと思った。まぁ、彼もGOING STEADY時代はものすごくカリスマ性があった人で、やっぱりああいうバンドをやっている中では頭一つ抜き出ていた人なんだけど、そういう絶頂の時代にバンドを解散して、また新しいバンド(銀杏BOYZ)をやっているわけでいろいろ苦悩しているとは思うんですよね。そういうジレンマとかがよく出ていた気がします。演技は上手いとかなかったけどね。やっぱりステージ上での存在感とかは素晴らしいよね。
あと、事務所の社長役をやっていた岸部四郎も今でこそ借金で逃げ回っている人って感じだけど、彼自身もGS全盛時に超人気バンドにいた人間なわけで、そういう浮き沈みを体験してきている人なんだよなぁとか思うとナイスなキャスティングだと思いました。
あとケラの1980と同じく脇役というかチョイ役のゲストが豪華でした。ピエール瀧とか両方に出てたな。
まぁあの頃を思い出したいという人も1980とこのアイデン&ティティを見ると何かスッとするものがあるんじゃないでしょうか?面白かったです。