ビッグボーナス / ハセベバクシンオー

パチスロをテーマにしたミステリ。第2回このミステリーがすごい大賞優秀賞でしたっけ?まぁ、パチスロ狂いの人間としても興味あったので読んでみました。

パチスロの攻略法を商売とする会社を巡るあれこれなお話。パチスロの攻略法ってのはいわゆるゲームの攻略法とは違ってほとんどガセ、インチキなのですよ。でも、それを高い金で売る人がいて、高い金で買う人がいるということなんですね。馬鹿ですねぇ。手元のパチスロ雑誌を見ても載っています。15万円だそうです。まぁ一日大勝ちすれば儲かる額ですね。情報が本当なら安い買い物ですよ。1日で取り返せるんだもん。でも嘘ネタだしね。99.999%ガセです。

始末が悪いことに本物の攻略法ってのが稀にあるんですよねぇ。古くはコンチの4枚いれとか最近ではサミー系のフラグコピーだとかゴールドXの押し順だとか。こういう極稀な本物の情報があるだけにだまされる人も騙されやすい構造になってたりするのです。

ということもこの小説では書かれています。最初はパチスロ業界の裏事情とかを判りやすく説明してくれますので、その業界をしらない人には興味深く、知っている人にはわかりやすく読めるのです。

でも、途中やくざが出てきてからは展開の妙味が無くなっちゃってタダのバイオレンスになっちゃうのが残念だなぁ。あと、最後の最後で実は彼と彼は昔からの知り合いだったといわれてもちょっと納得はできないです。そういうところが正直惜しいです。

まぁ、そこそこ面白かったです。あと、パチスロやっていても儲からないよねと改めて思わせてくれました。ありがとー。