金田一少年の事件簿 電脳山荘殺人事件 / 天樹征丸
- 作者: 天樹征丸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/08/06
- メディア: 新書
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金田一少年ですよ。金田一少年とミステリファンといえば「異人館村殺人事件」問題以来、険悪な関係なままだと思っていたのですが、2ちゃんのミステリ板とか見てますと、少なくともこの「電脳山荘」に関しては高い評価を受けていて興味を持ったわけです。で、まぁ読んでみたと。
「雪に閉ざされた山荘に集まったチャットで知り合った人間が殺される!」って言うストーリーです。面倒なので紹介文から引用です。いわゆるクローズドサークルモノです。次々と仲間が殺されていくー、犯人はこの中の誰かなんだろうけどよくわかんねーってやつです。まぁ、ミステリではよくある設定です。
皆が皆、ハンドルネームで呼び合うというところとかは十角館を下敷きにしているんだろうなぁという印象。まぁ、こっちはお互いの素性も知らないまま話が進んでいくというところが興味深いところですが。
そうねぇ、いろいろな意味で初心者にお奨めできる一冊じゃないでしょうか。金田一少年というわかりやすいキャラ、閉ざされた雪の山荘というミステリでは王道のシチュエーション、程よく効いたミスリード、そして小説ならではの・・・これだけの条件が揃っているわけですから、評価が高いのもうなずけるというものです。なかなか楽しめますよ。
しかし、作者の意図したところは途中で気づいてしまったので、思ったより驚けなかったなあ。そこが残念。素直に読むってのは案外難しいものでして。
ただ、初出が96年ですか。もう8年も前ですからねぇ、インターネットやチャットに対しての環境とかがらりと変わってますからねぇ、そこら辺に違和感はありました。まぁ、しゃーないわな。あと、今クローズドサークルものを書こうと思ったら障害となるのはやっぱり携帯電話なんだなぁと思った。96年だとまだみんながみんな持っていない時代か。
今、スカパーで古畑がやっていたので見ながらこれ書いていたのですが、私は古畑では鶴瓶の話が好きなんですが、あれも今見るとつらいだろうなぁ。ファックスを自動で送れる機械があるとか今じゃ当然すぎて話にならないもんな。まぁ、それは宿命なのか。
古畑は初期シーズンは蟹丸警部とか出ているんだな。峰岸徹。蟹丸警部はルパンシリーズのガニマール警部のもじりですね。調べてみたらゲームセンターあらしにも「蟹丸警部」って出てくるみたい。どうでもいいか。