リンダリンダリンダ

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女子高生がブルーハーツコピーバンドをやるといわれて見に行かない選択肢は無いわけですよ。女子高生がバンドっていうことでスウィングガールズとかその源流のウォーターボーイズとか直ぐに連想してしまうのですが、まぁ、ああいう類のストーリーが好きな人は見ておいて損は無い映画だと思います。

スウィングガールズとかの方がエンタテインメントに徹しているだけあって、ストーリーの起伏は大きいわけで、リンダリンダリンダではそれほど大きな挫折とかサクセスストーリーとかもなくて、比較的地味な映画にはなってしまってはいるんだけども、その分現実味はこっちの方があるのかも。女子高生の現実なんてわかんねーけどもさ。

題材がブルーハーツってのが絶妙なところというかわかりやすいところだと思うんだけども、ブルーハーツが結成されて20年、解散して10年以上たっているバンドである割には現在への浸透度ってのはかなり高いんだよね。映画内で触れられているユニコーンだって「民生のバンド」扱いだし、ジッタリンジンなんてホントに懐メロバンド扱いだと思うのね。俺は今でもジッタリンジン好きだけども。でも、ブルーハーツはそういうの全然なくって、ハイロウズの人が昔やっていたバンドね、という扱われ方もしてなくて、ブルーハーツブルーハーツであるって捕らえ方を今も一般的にされているのがすごいと思うわけですよ。

まぁ、その裏には「リンダリンダ」っていうカラオケでも単純に盛り上がれるパンクでキャッチーな曲があるからってのは否めないんだけども。他にもいい曲はあるんだけどもねぇ。個人的にはブルーハーツリンダリンダっていうイメージが浸透しすぎているのはあんまり好きじゃないのですよ。

その中でこの映画はタイトルこそ「リンダリンダリンダ」だけども、映画内ではむしろ「僕の右手」だったり「終わらない歌」だったりという、ブルーハーツファンの中では「リンダリンダ」よりも(たぶん)好まれている曲をフィーチャーしている点に高感度を持ったりもしたわけです。

最後はバンドの演奏で終わるわけなんだけども、「終わらない歌」が流れているときの薄汚れている校舎の映像はよかったな。

個人的には「終わらない歌」の「・・・・扱いされた日々」の所を、女子高生バンドがどう歌っているのか気になっていたのですが、案外ちゃんと歌っていてびっくりしました。むしろ本家の方がボカシが入っている感じで。

まぁ、素敵な映画なので近所でやっている人は是非見に行ってくださいまし。前田亜季かわいいし。