トーキョーあたり / 劇団健康

あの劇団健康が12年ぶりに帰ってきた!なんていわれても俺は初めて芝居見たのが96年なわけで、その頃にはもう劇団健康はとっくのとうちゃんで解散していて、ナイロン100℃だったわけなのですよ。でも、そのときに初めて見た芝居がナイロンなわけで、ある意味ナイロンチルドレンの私にとっては劇団健康公演ってのは先祖帰りというかお墓参りみたいなもんなわけですよ。こりゃ見逃すわけにはいかねーなってもんですよ。

見たこともない劇団健康のイメージはとにかくナンセンスって感じで、あえて健康をなのるくらいなんだから今回はナンセンス前回で行くんだろうなとは思っていたのですね。最近のケラは全然ナンセンスものやらないし。テクノベイビー以来なのかなぁ。全体的な比率を見てもナイロンの公演のなかでナンセンスものの占める割合って実はかなり少ないしね。まぁ、そういうことも含めてかなり期待していたわけですよ。

ストーリー自体は小津安二郎の「東京」と黒澤明の「生きる」(両方とも未見)を下敷きとした上で、ナンセンスな会話と展開で話をずらしていく感じですか。あとメタ的視点でその二つのストーリーを監督している二人の男(オヅとクロサワ)の存在と、内部のストーリーとの関連ってのはケラリーノナンセンスの金字塔「ウチハソバヤジャナイ」を思い出させますな。

ナンセンス部分は笑える所といまひとつな所とはっきり分かれていた感じかなぁ。フラダンスのあたりはかなり好み。なんかすげぇどうでもいいところがすき。オープニングの映像もよかったな。奥菜恵のいきなりの登場には腹抱えて笑ったな。やりすぎやらせすぎ。

あと、役柄が固定で、それをすべての役者が交代でやるってアイディアはなんか斬新だったな。もう使い古された手法なのかもしれないけども初めて観たし。気づくと演じている人違っていておいていかれる感じがよかった。

あとは他劇団いじりが多かったなぁ。大人計画だとかキャラメルボックスだとか。ケラのキャラメルいじりも久しぶりのような気が。ナイロンと大人計画って結構友好的な関係だとは思うんですがね。客演も多いし、そもそも三宅は所属事務所が大人計画だし。

基本的にいつものナイロンのメンバーとかなり被る所があったんですが、新村量子さんって今は役者活動行っていないのかな。個性的な容姿で演技も上手いし結構活動どころってあると思うんだけども。もったいないなぁ。

まぁ、こういう頭使わないのもいいなぁと思った今日この頃。別に普段から頭使ってないけどさ。

次はコクーンで公演?あとカラフルメリィの再演。楽しみだなあ。